ロルフィング/メディア掲載/Barefoot

2010年12月30日 § コメントする

年の瀬なので、今年ストラクチュラル・インテグレーションが
マスメディアに取り上げられたものを集めてみました。
まだいくつかあった気がするのですが、憶えているものだけ。

これは最近の記事で11月16日付。

usatodayhealth
USATODAYの記事

こちらは「New York Times」紙の10月6日付。

nytlogo
New York Timesの記事

アメリカでメジャーな情報番組(かな?)「the Today Show」
でも紹介されました。

このときに出演したのは、上記のNYTの写真の方と、
Rolfing界では重鎮的存在のJan Sultanです。

古くから統合医療に取り組む医師として、日本でも
「ナチュラル・メディスン」や「癒す心・治る力」などがロングセラーになっている
アンドルー・ワイル博士のロルフィング推奨記事も今年1月に記事が出ていました。
Andrew weil博士の推奨記事

しかし、今年は急にメディアに取り上げられることが多くなったなあ、
と思ってみていたのですが、考えてみると、
Barefoot Runningのムーブメントも影響しているのかもしれません。

今年の1月に発表された、ハーバード大学のLieberman教授の論文以降、
かかとで着地しない走法が一部のランナーの間で盛り上がりを見せています。

細々と信仰者?を増やしてきたBarefoot(=Forefoot)Runningですが、
ここに来て有名大学の教授から後押ししてもらった形。
ランニングシューズメーカーにとっては一大事で、
オーバープロネーションなどランニング障害の数々がかかとを保護したり
アーチをサポートするシューズにあるという結果が示されました。
ランニングシューズなど履かずに、裸足(Barefoot)で走れ、と。

まあ、いきなり裸足は無理ですが、徐々につま先着地へフォームを移行
していくことは、長距離を走るランナーや、生涯、長くランニングを楽しみたい
ランナーにとっては十分価値のあることです。

そのためには、厚くクッション性能に優れ、アーチがサポートされた
いまどきのハイテクランニングシューズではなく、
なるべく薄く柔らかで、平らなソールのシューズが適しています。
裸足感覚を謳った、ナイキのフリーなんてのもありますが、
あれはまたちょっと違うんですけれどもね。

人が運動をする時にどんな動きが自然で、身体に負担をかけないのか。
ロルフィングにはずっと当たり前だった考え方が、
ランニングの分野から注目され始め、身体構造のあり方、機能性などに
関心を持つ方が増えてきたのかな、と思います。

日本でも「Tarzan」や、誌名は忘れましたが女性誌に取り上げられたりしました。
が、海外の紹介に比べて、まだまだ扱いは小さいですね。

近年、国内のストラクチュラル・インテグレーションの施術者が
増え始めているので、徐々にですが知名度も上がってくると思います。

ぼくの通ったGSIは、まだ日本でのトレーニングクラスを開講していないので、
GSIブランドで施術をしたい場合は渡米する必要がありますが、
RIは不定期ですがすでに日本でもクラスを開催しています。
「ロルファー」を名乗って施術をしたい場合は、RIに通う必要があります。

まあ、養成校は数あれど、どこもアイダ・ロルフ博士のレシピの下に、
ベーシック10を学ぶというところは変わりありません。

健康を考える時に、人間としての自然さを考えるのは大切なことです。
”自然”という言葉を使うこと自体、そして自然を意識せざるを得ない状況こそ
不自然なんだという意見もありますが、いまさら戻れないところまで
文明は発展してしまっています。

中途半端な自然保護や環境啓蒙活動は、
所詮起業のプロパガンダでしかないわけですが、
それに踊らされないためにも、自分の中を出来るだけ自然に保ちたいものです。

もちろんカラダだけでなく、はたまた食事だけでなく、生活習慣だけでもなく、
全てがバランスされ、調和された時に人は一番生きやすいのだと思います。

2011年の目標のなかに、ちょっと自分のことを考える時間、機会を
取り入れてみませんか?
では、また。

あ、一応大晦日ということで、
皆様、よいお年を。

姿勢/ロルフライン

2010年12月13日 § コメントする

久しくS.I.について書いていなかった気がしますが、
今回は少しS.I.を知ってもらえる内容です。

友人が自分のサイトをかっちょええのにリニューアルしたので、
見せてもらったのですが、
トップページの図がよく書けていて皆さんにも見てもらいたくなったので
そんなのもからめて、S.I.的よい姿勢について少し書いてみようと思います。

これが友人のサイト(http://www.metodorolfing.com/)から
拝借した図です。もちろん了解済みですよ。

Alignment

ぼくは「アライメント」という言葉をよく使うのですが、
身体を便宜的にパーツごとに視た場合の配列、整列具合のことを指します。

この図は、身体を横から見た場合のアライメントですが、
一番左の理想的な状態に対して、右に並ぶ様々な癖のある姿勢があります。
自分に似ているなー、なんてのもありますか?

ロルフィングを創始したロルフ博士は、ストラクチュラル・インテグレーションを
ロルフィングと呼ぶことをはじめは嫌がっていましたが、
このサイドラインについては、姿勢を見る上での重要性から
「ロルフライン」と命名していたようです。

ぼくらも、ロルファー同士、プラクティショナー同士の会話では
ロルフラインとか、単にライン、というとこれを指します。

では、なぜこのラインが大切か、という話ですけれども、
この一本のラインが(ラインに)整えられていることが、
静的にはもっとも”重力と仲良し”の状態だからです。

”重力と仲良し”? と思った方、ちょっと理科の復習です。

「作用反作用」 小学生かな?習うのは。憶えていますか?
細かな要素を省いて、シンプルに言ってしまうと、
物が動かずに止まっているということは、

作用している力とまったく同じ大きさの力が、
正反対から作用して、打ち消しあっている。
すなわち、力は”ゼロ”と同じ。
と、いうことです。

ぼくのサイトにも、ブロックで模式的に書いていますが、
キレイなロルフラインのほうは重力の”G”矢印が上を向いています。
自分の身体の重さだけ、つまり身体に作用する重力の分だけ
下から支えてくれることを表わしています。
間違っても、”上から引っ張ってもらう”ワケではありません。

逆にラインが整っていない身体は、
重さが下だけではなく、崩れ落ちていく方向にも働きます。

下(鉛直)方向は重力が支えてくれますが、
横に崩れていく分は、誰が支えるのでしょう?
そう、その身体の持ち主、自分自身ですよね。

つまり、自らが崩壊(!)しないように、
姿勢の悪い人たちは四六時中、力んでいるわけです。

でも、たいていの人はそんな自覚はありません。
ボケちゃってるから(!!)。
そして、キレイな姿勢がどれだけ楽なものかを、知りません。
四六時中、余分なエネルギーを消費していることで、
自分の力が発揮しきれていないことを、知りません。

茹で蛙の話しはご存知でしょうか。
熱い湯にカエルを放り込むと、当然びっくりして飛び出しますが、
水の中に入れて徐々に温めると、気づかずに茹ってしまうらしいです。

そう、我われの身体も、徐々に進行するので慣れてしまうのです。
仕事の終わり頃には、あー疲れた、が当たり前で、
姿勢が悪いせいだなんて、これっぽっちも思わない。

脳は意外と簡単に慣れるというか騙されてしまいますので、
どうせなら、S.I.を受けてよい方向に騙されましょう。

上の図で、まっすぐでない人たちは少し背が低いですが、
歪みや捻れの分、縮んでしまいます。
今日も、しばらく前に10セッションを受けた人と話をしていたら、
身長が1.5cmも伸びた!と言っていました。
いや、伸びんたんじゃなくて戻っただけ。です。

そしてなによりも、
左端のような姿勢でいる限り、
身体的な慢性的な症状とはまったく無縁です。
自由で軽く、元気な身体!これがいいです。

では、また。

代替療法/ボディワーク

2010年11月26日 § コメントする

以前、ホメオパシーについて書いたときに、
クライアントさんからも聞かれることが多かったのが、
そもそも「代替療法」ってのが、よくわからん、と。

リハビリのこと?とか、お医者さんですること以外は代替療法ですよね?とか、
東洋医学のことでしょう?とさまざまな認識らしいです。

辞書なんかですと、
「近代的な西洋医学以外の方法による治療法の総称」
なんて出ているのですが、現場からすればちょっと物足りないな、という感じです。
きっと皆さんの頭の中には、代替療法の”対極”として、
西洋医学、近代医学があるのではないでしょうか。

もとは、
Alternative Medicineの訳として「代替療法」とされたのがいつからかは知りませんが、
この語訳だと”取って代わるもの”という印象が強いですよね。代わりの方法。

しかし、実際は
「Complementary&Alternative Medicine」
といわれ、
「補完・代替医療」
というのが、欧米での使われ方です。

つまり、西洋医学に替わるもの、だけではなく、
補完・相補(complementary)、補い合うものでもあるべきなのです。
完全に取って代わる必要などはないですし、
それぞれの特徴、強みが活きてこれば、受ける側のメリットは高いものとなります。

「補完・代替医療」には、さまざまなものがあります。
インドのアーユルヴェーダ、イギリスのホメオパシー、
中国の針、ハーブ療法は欧米では盛んですし、
アロマ発祥のフランスでは医師会が正式にアロマセラピーの認めて、
医学部のカリキュラムにも含まれているそうです。
そのほかにも、食餌療法、催眠療法、リフレクソロジー、オステオパシー、
ゲシュタルトセラピー、レイキなど、まだまだあります。
handson

そしてストラクチュラル・インテグレーションのようなボディワークも
これに分類されると思います。

「補完・代替医療」の特徴としては、
対症・部分治療を得意とする近代医学とは対照的に、
手法は千差万別あれど、たいていの場合はホリスティック(全体的)に
人を捉えて扱うことがあげられます。

日本の医師会においては、残念ながら「補完・代替医療」を認め、
有効に取り入れていこうとする動きは、まだまだごくわずかです。
このあたりは、現在の科学でエヴィデンスに基づく証明がなされない、
という理由なのでしょうけれど、ぼく中では二の次です。
素粒子かその先の研究が進めば、もうちょっと新しいことが見えてきそうですけどね。
(このあたりのスタンスは以前の記事を参考にしてください)

しかし何を選択するか、というのは簡単なことではありませんので、
なんとなく”お医者さん”へ行ってしまうのもわからなくはありませんが、
それぞれ得て不得手があり、現在の医学も万能ではありません。

特に慢性的な症状で長く通院して、治療法(や薬)は変わらない、
症状もさほどの変化は感じられない、という方は
一度、自分に会うものがほかにあるかどうか、探してみる価値はあります。

もちろん、他力本願ではなく、自分でできること、改善できることがあるのであれば、
何よりもまずそこからスタートするべきでしょう。
と、言うよりそれが一番大切なところでもあります。

現代医学も代替療法も、何をしているかといえば
人の持つ治癒力をサポートしているに過ぎません。

逆に捕らえれば、その治癒力をサポートするために、
自分の現状を客観的に判断し、有効な治療、対処を選ぶのです。

では、また。